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測定器の測定誤差を正す作業です。
例えばアナログ式の体重計を使い続けた際、気が付いたらメモリがズレていた経験はございませんか?
きっとその際にはダイヤルを調節して0kgを中心に戻す作業をされたと思います。
校正とは、測定器を正常な状態に保ち、測定精度を担保するために必要な作業を意味します。
一定の数値の標準液を用いて測定器本体にその数値を読み込ませる作業です。測定器は使用環境などにより数値のズレが生じるため、定期的な校正が必要となります。
基本的にpH校正にはpH標準液を使用します。電極を標準液に浸け、手動もしくは自動で校正を行います。
校正の頻度は使用環境や求める精度で異なりますが、定期的に行う必要がありますので、以下の目安をご参照下さい。
●毎日や週3日以上測定する場合:少なくとも1週間に1回を推奨。
●週1回や月に数回測定する場合:少なくとも1ヶ月に1回を推奨。
校正作業はあくまでも電極が正常な時に行う必要があります。例えば傷や付着物汚れ、極度の乾燥状態にある場合、電極の交換が必要となります。
人間の目が乾燥すれば視認性が低下するように、電極も乾燥した状態ですと測定値に誤差を生む原因となります。スムーズに正確な測定を行うためにもpH電極はつねに保湿された状態に保つ必要があります。
pH電極を保管する際には専用の電極保存液に浸してください。電極保存液に浸けて保管することは、電極の寿命とパフォーマンスを向上させます。
仮に電極が乾燥している場合、電極の先端を保存液に最低でも1時間、理想的には一晩浸し、その後に校正が取れるか確認することを推奨します。
pH電極を水ではなく保存液で保管することで微生物の増殖を抑え、また内部液の流出を防ぐことに繋がります。
pH計の測定原理ですが、液絡部と呼ばれる穴から内部液(塩化カリウム:KCL)が流出し測定物に含まれる水素イオンと反応して起電力が発生、この起電力を計測し数値変換したものがpHとなります。
内部液よりも測定サンプルのモル濃度が高い場合、浸透圧で内部液が流出する仕組みです。保存液は内部液と限りなく近いモル濃度のため、浸透圧の発生を最小限にして内部液の流出を防げます。
なお内部液よりもモル濃度が低い液を測定する場合、液絡部へサンプルが流れ込み、内部液の濃度を変えてしまうため測定値に誤差を生む可能性があります。
水道水は内部液とモル濃度が異なるため、つねに"測定している状態"となるため内部液の流出が止まりません。
ハンナの保存液は3.5mol、万が一保存液を切らせてしまった場合はpH4またはpH7の標準液で一時的に代用することが可能です。
pH電極の洗浄は、用途に合致した洗浄液を使用してください。少なくとも15分間は電極を液に浸すことで汚れが溶解されます。
洗浄後は電極を精製水で濯ぎ、電極を保存液に一晩浸すことが推奨されますが、2〜3時間ほど浸してから校正してください。
ハンナではボトルタイプのpH標準液を販売しておりますが、このボトルに直接pH電極を浸ける沈めないでください。標準液を汚染する原因となります。必要量を精製水などで濯いだ容器に注ぎ、それを校正に使用してください。また使用済みの標準液をボトルに戻すのもNGです。
ハンナの標準液は未開封ですと数年単位で保管が可能ですが、開封後ですと、pH4〜7の標準液は3〜6ヶ月、それ以外ですと1〜3ヶ月は有効です。
→各種標準液はこちら
一般的なスタンダードタイプのほか、英文証明書付きもあります。
pHやEC標準液はNIST規格に基づいており、高品質のものをご提供しています。
標準液のSDSは弊社HPでご覧いただけます。
→SDSはこちら